【地域おこし協力隊インタビュー】

今回、大台町観光協会は2019年6月1日付けで大台町の地域おこし協力隊に着任された保木正志(ほきまさし)さんに会いに行きました。

大台町に来る前は愛知県名古屋市でオーダー家具の製造、取付工事のお店を経営されていた保木さんの協力隊としてのミッションは、事業継承。

配属先は大台町の老舗和菓子店「法菓堂」です。

奥伊勢フォレストピアで販売している「あんもん」や、道の駅奥伊勢おおだい、道の駅奥伊勢木つつ木館で販売している和菓子でご存知の方もいらっしゃると思います。

法菓堂があるのは、大台町江馬(えま)。

かつて「江馬銀座」と呼ばれた商店街の一角にある地域の皆様から愛されているお店です。

お店に着くと、優しい笑顔の店主、巽さんと、柔らかい印象の若い男性が出迎えてくれました。

昭和情緒溢れる法菓堂の店先で、保木さんにお話をお伺いしました。

地域おこし協力隊への応募のきっかけ

「田舎への移住に憧れ、他の地域も含めて地域おこし協力隊の情報を探しました。着任後に自分でミッションを決めていくような募集内容が多い中、事業継承という分かりやすい目標の募集が目にとまった。

もともと和菓子が好きだったので、以前の仕事とは畑違いではあるけれどチャレンジしてみようと飛び込みました。」

以前から大台町は知っていた?

「正直言うと知らなかった。ツーリングが趣味なので、松阪市の飯南、飯高や紀伊長島まで行ったことはあったけれど、素通りしていました。移住してみての印象は、ほどよい田舎。お店はあるから買い物には困らない一方、少し足を延ばせば川も山もあり、自然に囲まれている。最高ですね。」

法菓堂でいま取り組んでいること

「和菓子の基本である美味しい餡子を開発しています。餡子が苦手という人がいますが、それには理由があると思うんです。商業目的では、賞味期限を長くするために砂糖を多く使う。そうすると、小豆の風味のない甘いだけの餡子になります。餡子=ただただ甘いのイメージで、苦手になってしまったんじゃないかな。ご家庭で小豆を煮て餡子を作る際、ネットで作り方を検索されたことがある方はご存知だと思うのですが、小豆を煮る前に水に漬けておく、1時間以上煮るというレシピが多く出てくると思います。私が目指す餡子を作るには、水に漬けず、長時間煮ることもありません。」

保木さんの目指す餡子とは?

「甘さ控えめの、小豆の風味が感じられる餡子です。甘さを控えると言っても、砂糖の量を減らせば目指す餡子が出来るわけではありません。糖度を下げすぎると粘りがなくなってパラパラになる。湿度によっても変化するので、砂糖の分量は日々違います。今の段階では、水分量と煮る時間・蒸らす時間が、湿度と気温によって違うことが分かりました。砂糖の種類による違いはまだ確認できていません。」

保木さんの中には、理想の餡子が存在する

「趣味のツーリングで各地へ出かけ、和菓子屋さんの和菓子をいただく。美味しいと感じた和菓子屋さんが流行っていれば、自分の舌は世間の感覚と合っていると認識する。数多くの店舗で和菓子をいただいて、研究してきました。餡子作りは化学の実験に似ています。自分の理想の餡子を完成させるため、実験を繰り返す毎日です。」

餡子を試食させていただきました

「無糖のヨーグルトに餡子を乗せています。餡子は乳製品に合うんですよ。」

甘味が少なく、小豆の香りがしっかり鼻に抜ける、上品な「こしあん」。なめらかで、口の中でスーッと溶けていく。十分に美味しい餡子だと思いましたが、こちらはまだまだ試作品。期待しています。

今後の予定

「将来的には、道の駅奥伊勢おおだいの奥伊勢わいわい市や地域のコミュニティを活用させていただき、皆さんにも試食していただければと考えています。」

協力隊としての夢は?

「法菓堂にイートインスペースを作りたい。どんな田舎でも美味しい店には行列ができます。それに、大台町はアクセスが悪くない。名古屋からは車で高速を使って2時間かかりません。都市部からの人々をこのお店に呼び込み、より繁盛したお店にするのが私の夢です。そのためには、いち早く美味しい餡子を完成させなければいけません。」

保木さん、ありがとうございました。

次回の大台町観光協会「お知らせ」では、老舗和菓子店「法菓堂」のおすすめのお菓子を紹介します。

お楽しみに!