熊野古道・伊勢路沿いにある川添神社(三重県多気郡大台町栃原)で開催される奇祭「五身懸祭(ごみかけまつり)」は、おめでたい出で立ちの先導のもと2組の隊が地域を練り歩き、神社前で合流し、その後、神楽の奉納や神事が行われるというお祭りです。
練り歩きは、栃原区と新田区より選ばれた2人の当番を中心に、13時前頃からそれぞれの地区からスタートします。(起点は、その年によって変わります。)
先導は、狩衣姿に両手に扇子。「まだらーく まんざい」と掛け声をかけながら歩きます。
まだらーくまんざい = 曼荼羅神よ万歳
大日如来を中心とする曼荼羅の諸仏の加護を祈り、五穀豊穣・諸作物の豊かな生長を祈念する叫びと言われています。
行列は、酒や魚のほか「ほで」(餅の串をまるく365本刺したもの)を一緒に持ち歩きます。
ひとつの串は、こんな感じ。餅2色と、下は大根。
これを、麦わらで作ったホデに丸く刺してあります。
2組の練り歩きは、神社の鳥居前で合流。揃って境内に入り、神事が行われていきます。
神事は14時~15時半頃まで。
まずは、祝詞と舞の奉納。
そして、弓懸け神事。
その年の当番が、3回矢を放ちます。
的に当たるとその年は豊作だそうです。
続いて、苗松神事。
大きな雄松が、3本の縄で固定されています。
神主さん達が松の周りを回ったあと、縄を切り、幹が倒されます。
松のてっぺんには神幣が貼られており、これを奪い合います。昔は、この御幣を田の水口に立てると、豊作になったそうです。現代ではさながら、福男・福女ですね。
これが迫力!盛り上がります!
参加者には、サカキの枝、ほでの餅串が配られます。
縁起物として持ち帰ることができます。
ごみかけ祭りは「奇祭」と呼ばれ、町外からも撮影・見学の方が訪れます。
是非ご参加いただきたい、地域のお祭りです。
[開催日時]2020年2月16日(日)
[開催場所]川添神社 三重県多気郡大台町栃原1481
★五身懸け祭りは例年、2月18日付近の日曜日に開催